収穫後の土づくりとは、作物を収穫したあとの畑に残る根・茎・葉などを適切に処理し、分解を進めながら、作付け前の土を整えていく考え方です。
収穫が終わった畑には、作物の根、茎、葉、株元、細かい植物片などが残ります。
これらは、微生物の働きによって分解されれば、有機物として土づくりに役立つことがあります。
一方で、分解が進まないまま畑に残ると、土の中でガスが発生したり、病害虫の温床になったり、根張りや初期生育に影響することがあります。
そのため、収穫後の土づくりでは、まず残根・残渣の処理と分解をできるだけ早く、しっかり進めることが大切です。
そのうえで、微生物資材を活用し、土の中の微生物が働きやすい環境を整えていくことが、畑の菌活®の基本的な考え方です。
この記事では、収穫後の土づくりで大切な残根・残渣の処理、分解を進める理由、微生物資材の活用、必要に応じた水はけ改善や土壌消毒の考え方について解説します。
目次 ➖
収穫後の土づくりとは?
収穫後の土づくりとは、作物を収穫したあとの畑をそのままにせず、作付け前の土を整えるために行う土づくりです。
収穫後の畑には、目に見える茎や葉だけでなく、土の中に根や細かい残渣が残っています。
これらの残根・残渣は、微生物によって分解されることで、土づくりに役立つ有機物となることがあります。
しかし、分解が進まないまま次の作業に入ると、土の中の環境が不安定になることがあります。
特に、残渣が多い場合や、分解の時間が十分に取れない場合、土の中でガスが発生したり、根の生育に影響したりすることがあります。
そのため、収穫後の土づくりでは、まず残根・残渣をどう処理し、どう分解させるかを考えることが大切です。
畑の菌活®では、収穫後を「畑を空けておく期間」ではなく、「土の中を整える大切な期間」と考えています。
残根・残渣の処理が基本になる理由
収穫後の土づくりでまず大切なのは、残根・残渣の処理です。
残渣とは、収穫後に畑に残る茎、葉、株元などの植物の残りのことです。
土の中に残った根は、残根と呼ばれることもあります。
残根・残渣は、分解が進めば土づくりに役立ちます。
一方で、分解されないまま残ると、土の中で未分解の有機物として残り続けます。
その状態で作付け前の準備や定植に入ると、根のまわりで分解が進み、土の中の空気や水分のバランスが崩れることがあります。
また、前作で病気が出ていた場合、残渣をそのまま畑に残すことで、病害の原因が残りやすくなることがあります。
害虫が多くついていた残渣も、作付け前の土づくりでは慎重に扱う必要があります。
収穫後の残根・残渣処理は、片付け作業ではありません。
作付け前の土を整えるための、最初の土づくりです。
分解が進まないとどうなる?
残根・残渣の分解が進まないと、土の中でいくつかの問題が起こることがあります。
ひとつは、ガスの発生です。
土の中の空気が不足している状態で有機物の分解が進むと、根に負担をかけるガスが発生することがあります。
代表的な例として、水稲では稲わらや根の分解が十分に進まないことで、田植え後にガスが発生し、根の生育に影響することがあります。
これは水田だけの話ではありません。
畑作でも、収穫後の根や茎、葉などの残渣が分解されないまま残ると、作付け前の土の状態や根張りに影響することがあります。
もうひとつは、病害虫の温床になることです。
病気が出た作物の残渣を畑に残すと、病原菌が残り、次期作に影響することがあります。
また、害虫が残渣の中で残る場合もあります。
さらに、残渣が未分解のまま多く残ると、根が伸びる場所を妨げたり、土の中の環境を不安定にしたりすることがあります。
そのため、収穫後にはできるだけ早く、残根・残渣の処理と分解を進めることが大切です。
微生物資材を活用する意味
残根・残渣の分解には、土の中の微生物の働きが関わっています。
微生物は、根や茎、葉などの有機物を少しずつ分解し、土の中で利用されやすい形へ変えていきます。
収穫後の土づくりで微生物資材を活用する目的は、こうした分解の働きを助け、土の中の環境を整えることです。
特に、残渣が多い畑や、作付けまでの期間が限られている畑では、分解を早めに進める意識が大切です。
また、微生物資材は、単に残渣を分解するためだけのものではありません。
土の中に多様な微生物が働きやすい環境を整えることで、有機物の分解、養分の循環、団粒構造づくりなどにもつながります。
畑の菌活®では、特定の菌だけに頼るのではなく、多様な微生物が働きやすい土の環境を整えることを大切にしています。
収穫後は、その土づくりを始める大切なタイミングです。
土の状態に応じて必要な対策を考える
収穫後の土づくりでは、残根・残渣の処理だけでなく、土の状態を見ることも大切です。
土が固くなっていないか。
水はけが悪くなっていないか。
雨のあとに水が残りやすくないか。
病気が出た場所があるか。
根がしっかり伸びていたか。
生育ムラが出ていなかったか。
こうした状態を見ることで、作付け前に必要な対策が見えやすくなります。
水はけが悪い畑では、排水や通気性を改善する資材や作業が必要になる場合があります。
土が固い畑では、耕運の仕方や有機物の補給、団粒構造を意識した土づくりが必要になることがあります。
病気が強く出た畑では、残渣の持ち出しや土壌消毒を検討する場合もあります。
土壌消毒を行う場合は、微生物資材を使うタイミングにも注意が必要です。
先に土壌消毒が必要なのか、残渣処理や土壌改良をどう組み合わせるのかは、畑の状態によって変わります。
そのため、収穫後の土づくりでは、作業の順番を考えることも大切です。
事例:年1作の圃場で考えたいこと
例えば、一年に一度だけ作付けする圃場では、収穫後から次期作前までの期間をどう使うかが大切です。
収穫後に残根・残渣の処理を行い、分解を進める。
その後、土の状態を見ながら、必要に応じて土壌改良や水はけ対策を行う。
そして、次期作前には改めて微生物資材を活用し、微生物が働きやすい土の環境を整える。
このように、収穫後と作付け前を分けて考えることで、土づくりの流れが見えやすくなります。
収穫後は、残根・残渣の処理と分解を進める時期。
作付け前は、微生物の多様性を意識しながら、作物が育ちやすい土の状態に整える時期。
この2つをつなげて考えることで、畑の土を毎年少しずつ育てていくことができます。
畑の菌活®では、収穫後の処理と作付け前の準備を、それぞれ大切な土づくりのタイミングとして考えています。
作物ごとの収穫後の土づくりや、次の作付けまでの資材の使い方については、にんにくの栽培暦と施肥設計、トマトの栽培暦と施肥設計、ねぎの栽培暦と施肥設計、キャベツ・ハクサイの栽培暦と施肥設計も参考にしてください。
まとめ
収穫後の土づくりとは、作物を収穫したあとの畑に残る根・茎・葉などを適切に処理し、分解を進めながら、作付け前の土を整えていく考え方です。
基本になるのは、残根・残渣の処理と分解です。
収穫後は、できるだけ早く残根・残渣を処理し、微生物が分解しやすい状態をつくることが大切です。
分解が進まないまま残ると、ガスの発生、病害虫の温床、根張りや初期生育への影響につながることがあります。
そのため、収穫後の土づくりでは、微生物資材を活用しながら、土の中の微生物が働きやすい環境を整えることをおすすめしています。
また、土の状態によっては、水はけ改善、土壌改良、土壌消毒などが必要になる場合もあります。
一年に一度だけ作付けする圃場では、収穫後に残根・残渣の分解を進め、次期作前に改めて微生物資材を活用して土を整える考え方も大切です。
収穫後の土づくりは、畑の菌活®という考え方の一部です。
残根・残渣の処理から始め、微生物が働きやすい土の環境を整えることで、作付け前の土づくりを進めていきましょう。
──────────────
関連記事:
・収穫後の残渣処理とは
・土壌微生物の多様性とは?
・微生物資材とは?
・団粒構造とは?
・腐植とは?
・水はけが悪い畑の原因
・連作障害とは?
──────────────
畑の菌活®を実践する資材:
・超堆肥源の商品詳細を見る(公式サイト)
・超堆肥源を楽天市場で見る
──────────────
収穫後の畑をそのままにせず、残根・残渣の分解を進めることから、畑の菌活®を始めてみてください。