ねぎ栽培では、定植前の元肥だけでなく、育苗中の根づくり、定植後の活着、土寄せに合わせた管理、収穫後の土づくりまでを一つの流れとして考えることが大切です。
特に長ねぎは、生育に合わせて複数回の土寄せを行い、白い葉鞘部を長く育てます。
土寄せのたびに根の周囲の環境が変わるため、土の水分、固さ、肥料の残り方、生育の強さを確認しながら管理します。
株式会社五光のねぎ栽培暦では、育苗培土にミラクル酵素と竹の王を使用し、定植約1か月前には超堆肥源、ハッコウ肥料いのち特号、マグカル52を施します。
定植後はゲルマプラントシャワーを灌水し、その後は土寄せの時期に超堆肥源を使用します。
収穫後にも超堆肥源を散布し、残根・残渣の分解を進めながら土の環境を整えます。
この記事は、株式会社五光の栽培暦・施肥マニュアルに掲載している内容をもとに、ねぎ栽培で資材を使う時期と考え方を詳しく解説しています。
掲載する使用量は目安です。土壌分析、前作の施肥量、生育状況、土質、気候、栽培方法に合わせて調整してください。
目次 ➖
ねぎ栽培の年間スケジュール
五光の栽培暦では、ねぎ栽培を次の流れで考えます。
- 3月頃:種まき
- 4月頃まで:育苗
- 5月頃:定植
- 6月頃:1回目の土寄せ
- 7月頃:2回目の土寄せ
- 8月頃:3回目の土寄せ
- 9月頃:4回目の土寄せ
- 10月頃:5回目の土寄せ・収穫
- 11月頃:収穫後の土づくり
実際の時期は、地域、品種、播種時期、定植時期、気温、生育の進み方によって前後します。
土寄せも暦だけで一律に行うのではなく、ねぎの太さ、草丈、葉色、根の状態を確認しながら進めます。
育苗培土に使う資材
ねぎは育苗期間が長いため、定植時に健全な根を持つ苗へ育てることが、その後の生育を支える土台になります。
五光の栽培暦では、育苗培土1立方メートル当たり、次の資材を使用する目安を示しています。
育苗培土1立方メートル当たりの目安
- ミラクル酵素:15kg
- 竹の王:20kg
ミラクル酵素は粉状の微生物資材で、培土へ均一に混ぜて使用します。
竹の王は、竹を原料として発酵処理した堆肥です。
どちらも一か所へ固まらないよう、培土全体へ十分に混ぜます。
ただし、育苗培土にはもともと肥料や資材が配合されている製品もあります。
市販培土を使う場合は、配合されている肥料分や資材を確認し、重ねて入れすぎないようにしてください。
育苗中に確認したいこと
資材を培土へ混ぜても、水分や温度の管理が合っていなければ、ねぎ苗は安定して育ちません。
育苗中の確認項目
- 培土が乾燥しすぎていないか
- 過湿になり、根の周囲に空気が不足していないか
- 苗が密集しすぎていないか
- 葉色が濃すぎたり薄すぎたりしていないか
- 根が白く健全に伸びているか
- 病害が広がっていないか
水を与えすぎると培土内の空気が不足し、根が弱ることがあります。
反対に乾燥させすぎると、生育が止まりやすくなります。
資材だけに頼らず、根が水と空気を利用できる培土の状態を保つことが大切です。
定植1か月前の土づくりと元肥
五光の栽培暦では、定植のおよそ1か月前に、土づくり資材と元肥を施します。
定植1か月前に使用する資材の目安(10a当たり)
- 超堆肥源:5~10袋
- ハッコウ肥料いのち特号:1~2袋
- マグカル52:1~2袋
資材を圃場全体へできるだけ均一に散布し、耕うんして土へ混ぜます。
使用量には幅があります。前作の施肥量や堆肥の投入量、土壌分析、生育履歴などを確認して調整します。
超堆肥源の役割
超堆肥源は、土壌微生物の働きを活かし、根が張りやすい土の環境を整える目的で使用します。
ハッコウ肥料いのち特号の役割
ハッコウ肥料いのち特号は、動植物由来の有機質原料を発酵・熟成させた肥料で、ねぎの生育に必要な養分を補うために使います。
マグカル52の役割
マグカル52は、土壌分析を参考にしながら、カルシウムやマグネシウムなどを補う目的で使用します。
土に十分残っている成分を毎年同じ量だけ施すと、養分が蓄積することがあります。
暦の袋数だけでなく、土の状態を確認することが大切です。
定植前に確認したい土の状態
ねぎは、定植後に新しい根を伸ばしながら生育します。
土が固く締まっていたり、雨のあとに水が長く残ったりすると、根が伸びにくくなる場合があります。
定植前の確認項目
- 雨の後に水がたまり続けないか
- 土が固く締まっていないか
- 未分解の残根や残渣が多くないか
- 元肥が一か所へ偏っていないか
- 前作の病害が残っていないか
- 定植溝の深さや排水が圃場に合っているか
ねぎはその後に土寄せを繰り返すため、定植時の土の状態だけでなく、土寄せに使う土の固さや水分も確認します。
定植後のゲルマプラントシャワー
五光の栽培暦では、ねぎの定植後にゲルマプラントシャワーを使用します。
定植後の使用目安
- ゲルマプラントシャワー:3,000倍液
- 定植後に株元へ十分に灌水する
定植直後は、苗の根と圃場の土をなじませ、活着を進める時期です。
ゲルマプラントシャワーを3,000倍に希釈し、定植後の株元へ灌水します。
ただし、土がすでに湿っている場合や、水がたまりやすい圃場では灌水量を調整します。
多く与えることよりも、苗の根と周囲の土がなじむ水分を確保することが大切です。
土寄せを複数回に分ける理由
長ねぎは、生育に合わせて株元へ土を寄せることで、白い葉鞘部を伸ばしていきます。
一度に高く土を寄せるのではなく、生育に合わせて複数回に分けて行います。
ねぎが小さいうちに深く埋めすぎると、生育点へ土が入り、生育が弱ることがあります。
また、土が湿りすぎているときに作業すると、土が固まり、根の周囲に空気が入りにくくなる場合があります。
土寄せ前に確認したいこと
- ねぎが土寄せできる大きさに育っているか
- 土がぬかるんでいないか
- 土が乾燥して硬くなりすぎていないか
- 葉鞘部を埋めすぎない高さになっているか
- 病気や害虫による生育不良がないか
土寄せ時の超堆肥源
五光の栽培暦では、1回目から5回目までの土寄せ時に、超堆肥源を使用します。
各土寄せ時の使用目安(10a当たり)
- 超堆肥源:1袋
- 土寄せ時に散布する
超堆肥源を株元の周囲へできるだけ均一に散布し、その後に土寄せを行います。
土寄せのたびに10a当たり1袋が目安ですが、すべての圃場で必ず同じ量を使用するものではありません。
定植前の使用量、土の状態、生育の強さ、これまでに施した肥料や資材を確認して調整します。
超堆肥源は養分を多く補うことを中心とした肥料ではありません。
土壌微生物が働きやすく、根が伸びやすい土の環境づくりを助ける資材として使用します。
土寄せ時に肥料を増やす前の確認
ねぎの葉色が薄い、太りが悪い、生育がそろわないときでも、原因が肥料不足とは限りません。
土寄せによって土が固く締まり、根の周囲に空気が不足していることがあります。
また、水がたまって根が弱っている場合や、病害虫が発生している場合も、養分を十分に吸収できません。
肥料を増やす前に確認すること
- 根元に水がたまっていないか
- 土寄せした土が固く締まっていないか
- 葉に病斑や食害がないか
- 肥料を施した場所だけ生育が違わないか
- 葉色が濃すぎて軟弱に育っていないか
化学肥料を否定するものではありません。肥料が活きる土の状態を整える考え方です。
収穫後の土づくり
ねぎの収穫後には、畑の中へ根や葉などの残根・残渣が残ります。
五光の栽培暦では、収穫後に超堆肥源を使用します。
収穫後に使用する資材の目安(10a当たり)
- 超堆肥源:5~10袋
超堆肥源を圃場全体へ均一に散布し、処理できる残根・残渣と一緒に耕うんします。
ただし、病気が出ていた株や腐敗した残渣は、健全な残渣と分けて考えます。
病害の種類や発生状況によっては、圃場へ戻さず、外へ持ち出す必要があります。
微生物が働くためには、適度な水分、空気、分解期間が必要です。
超堆肥源を散布するだけでなく、水分や排水を確認し、収穫後から土の環境を整えます。
ねぎ栽培で使う資材と使用量一覧
| 時期 | 資材 | 使用量の目安 | 使い方 |
|---|---|---|---|
| 育苗培土づくり | ミラクル酵素 | 培土1立方メートル当たり15kg | 培土全体へ均一に混ぜる |
| 育苗培土づくり | 竹の王 | 培土1立方メートル当たり20kg | 培土全体へ均一に混ぜる |
| 定植約1か月前 | 超堆肥源 | 10a当たり5~10袋 | 全面散布後に耕うん |
| 定植約1か月前 | ハッコウ肥料いのち特号 | 10a当たり1~2袋 | 元肥として全面散布後に耕うん |
| 定植約1か月前 | マグカル52 | 10a当たり1~2袋 | 土壌分析を参考に全面散布後に耕うん |
| 定植後 | ゲルマプラントシャワー | 3,000倍液 | 株元へ灌水 |
| 1~5回目の土寄せ | 超堆肥源 | 各回10a当たり1袋 | 土寄せ時に散布 |
| 収穫後 | 超堆肥源 | 10a当たり5~10袋 | 全面散布後に残根・残渣と耕うん |
栽培暦の使用量は目安です。
土壌条件、気候、品種、前作の施肥、生育状況によって必要量は異なります。
家庭菜園で使う場合
五光の栽培暦に記載している袋数は、主に農業者向けの10a当たりの目安です。
家庭菜園では、畑の面積に合わせ、商品の表示量を確認して使用します。
ただし、小さな畑では、これまでに入れた堆肥や肥料が多く残っていることがあります。
面積だけで単純に換算せず、前作の施肥量、土の状態、ねぎの生育を確認して調整してください。
初めて超堆肥源を家庭菜園で使う方は、家庭菜園で超堆肥源を使う方法も参考にしてください。
土壌分析を施肥設計に活かす
栽培暦に使用量が書かれていても、毎年同じ量を施すことが適切とは限りません。
前作で使用されなかった養分が土に残っている場合もあれば、降雨などによって流れやすくなっている場合もあります。
土壌分析では、pH、リン酸、石灰、苦土、カリ、腐植などの状態を確認します。
分析結果と、葉色、太さ、根張り、水はけなどの実際の状態を合わせて見ることで、資材の使用量を調整しやすくなります。
まとめ
五光のねぎ栽培暦では、育苗培土にミラクル酵素と竹の王を使用します。
定植約1か月前には、超堆肥源、ハッコウ肥料いのち特号、マグカル52を施し、全面散布後に耕うんします。
定植後は、ゲルマプラントシャワーの3,000倍液を株元へ灌水します。
生育中は5回の土寄せに合わせ、超堆肥源を各回10a当たり1袋散布するのが目安です。
収穫後は、超堆肥源を散布し、残根・残渣の状態を確認しながら分解しやすい土の環境を整えます。
ただし、栽培暦の時期や使用量は目安です。
土壌分析、前作の施肥量、生育、水分、排水、病害虫などを確認し、圃場に合わせて調整してください。
これは畑の菌活®という考え方の一部です。
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