キャベツとハクサイは、どちらも葉を大きく広げながら生育し、株の中心部がまとまって結球する野菜です。
結球するまで安定して育てるには、生育中の追肥だけでなく、定植前に根が伸びやすい土を整えておくことが大切です。
土が固く締まっている、水がたまりやすい、肥料が一か所へ偏っているといった状態では、根が十分に働きにくくなる場合があります。
株式会社五光のキャベツ・ハクサイ栽培暦では、定植約1か月前に超堆肥源、ほう素入りシンボル808、マグカル52を施します。
定植後と生育中にはゲルマプラントシャワーを葉面散布し、収穫後には超堆肥源を使って残根・残渣の分解を進めながら土の環境を整えます。
この記事は、株式会社五光の栽培暦・施肥マニュアルに掲載している内容をもとに、キャベツ・ハクサイ栽培で資材を使う時期と考え方を詳しく解説しています。
掲載する時期と使用量は目安です。地域、作型、品種、土壌分析、前作の施肥量、生育状況、気候などに合わせて調整してください。
目次 ➖
キャベツ・ハクサイ栽培のスケジュール
五光の栽培暦では、夏に種をまき、秋に収穫する作型を一例として、次のような流れを示しています。
- 7月頃:種まき
- 8月頃:定植
- 定植後:ゲルマプラントシャワーの葉面散布
- 9~10月頃:生育管理
- 10月頃:ゲルマプラントシャワーの葉面散布
- 11月頃:収穫と収穫後の土づくり
実際の栽培時期は、地域、品種、春まき・夏まき・秋まきなどの作型によって異なります。
キャベツとハクサイでも、生育日数や収穫時期は同じではありません。
栽培暦の月だけで判断せず、苗の大きさ、葉数、株の広がり、結球の進み方を確認しながら作業します。
定植1か月前の土づくりと元肥
五光の栽培暦では、定植のおよそ1か月前に、土づくり資材と元肥を施します。
定植1か月前に使用する資材の目安(10a当たり)
- 超堆肥源:5~10袋
- ほう素入りシンボル808:1~2袋
- マグカル52:1~2袋
各資材を圃場全体へできるだけ均一に散布し、耕うんして土へ混ぜます。
袋数には幅があります。毎年同じ量を施すのではなく、土壌分析、前作で使った肥料や堆肥、生育履歴などを確認して調整します。
超堆肥源の役割
超堆肥源は、土壌微生物の働きを活かしながら、根が張りやすい土の環境づくりを助ける微生物資材です。
土や有機物と混ぜ、適度な水分と空気を確保することで、微生物が働きやすい状態を整えます。
ほう素入りシンボル808の役割
ほう素入りシンボル808は、窒素・リン酸・カリなどに加えて、微量要素のほう素を含む肥料です。
キャベツやハクサイの生育に必要な養分を補う元肥として使用します。
ただし、ほう素を含む微量要素は、多く施せばよいものではありません。
他の肥料にもほう素が含まれていないかを確認し、表示されている使用量を守って施します。
マグカル52の役割
マグカル52は、土の状態を確認しながら、カルシウムやマグネシウムなどを補う目的で使用します。
石灰や苦土が土に十分残っている場合もあるため、土壌分析を参考に使用量を調整します。
ほう素入り肥料を使うときの考え方
ほう素は、作物が必要とする微量要素の一つです。
必要量が少ない成分であるため、不足だけでなく、施しすぎにも注意が必要です。
ほう素入りシンボル808を使用するときは、次の点を確認します。
- 土壌分析やこれまでの施肥履歴
- ほかに使用する肥料の成分
- 前作でもほう素入り肥料を使用していないか
- 圃場へ均一に散布できているか
- 商品の使用量を超えていないか
生育不良が見られても、原因がほう素不足とは限りません。
根傷み、排水不良、土の酸度、病害虫、ほかの養分とのバランスなども合わせて確認します。
定植前に確認したい土の状態
キャベツとハクサイは、定植後に根を広げながら葉を大きく育てます。
土が固く締まっている場合や、雨のあとに水が長く残る場合は、根が伸びにくくなることがあります。
定植前の確認項目
- 雨のあとに水がたまり続けないか
- 土が固く締まっていないか
- 未分解の残根・残渣が多く残っていないか
- 元肥が一か所へ偏っていないか
- 前作の病気が残っていないか
- 畝の高さや排水路が圃場に合っているか
水はけが悪い圃場では、畝を高くすることや、排水路を整えることも検討します。
資材を多く施すことよりも、根が水と空気を利用しやすい土の状態を整えることが大切です。
苗を定植するときのポイント
苗を定植するときは、根鉢を崩しすぎず、周囲の土となじませるように植え付けます。
深く植えすぎたり、生長点の周囲まで土をかぶせたりすると、生育に影響することがあります。
定植後は、苗が倒れず、根鉢と周囲の土が密着する程度に灌水します。
ただし、土がすでに十分湿っている場合や、水がたまりやすい圃場では、灌水量を調整します。
定植直後は、苗の葉数、葉色、しおれ、根元の水分などを確認し、活着まで極端な乾燥を避けます。
定植後のゲルマプラントシャワー
五光の栽培暦では、定植後にゲルマプラントシャワーを葉面散布します。
定植後の使用目安
- ゲルマプラントシャワー:2,000倍液
- 葉の表裏へかかるように葉面散布する
定植後は、苗が新しい環境へ適応し、根を伸ばし始める時期です。
この時期は、葉の状態やしおれ、活着の様子を確認しながら管理します。
ゲルマプラントシャワーを2,000倍に希釈し、葉面へ散布します。
高温時や強い日差しのある時間帯を避け、比較的涼しい時間帯に作業します。
散布後すぐに強い雨が予想される場合や、葉が長時間ぬれたままになる条件では、散布時期を調整してください。
生育中に確認したいこと
キャベツとハクサイは、外葉を広げたあと、株の中心部が少しずつまとまって結球していきます。
外葉が十分に育たない状態で肥料を増やしても、結球が安定するとは限りません。
生育中に確認したい項目
- 葉色が濃すぎたり薄すぎたりしていないか
- 外葉が順調に広がっているか
- 株の中心部が正常に育っているか
- 土が乾燥しすぎていないか
- 株元に水がたまっていないか
- 葉に食害や病斑がないか
- 株の生育が大きくばらついていないか
生育が弱いときは、肥料不足だけでなく、根傷み、土の固さ、排水、気温、病害虫なども確認します。
結球前後の肥料管理
キャベツとハクサイは、生育が進むにつれて多くの葉を形成し、結球へ向かいます。
この時期に養分が不足する場合は、生育を見ながら追肥を検討します。
一方、肥料が多すぎると、葉が過剰に茂ったり、軟弱な生育になったりすることがあります。
追肥を行う場合は、株元へ肥料が直接触れないようにし、できるだけ均一に施します。
土が極端に乾燥している場合や、大雨の直前も避け、肥料が根に利用されやすい条件で作業します。
化学肥料を否定するものではありません。肥料が活きる土の状態を整える考え方です。
生育中のゲルマプラントシャワー
五光の栽培暦では、生育中にもゲルマプラントシャワーの葉面散布を行います。
生育中の使用目安
- ゲルマプラントシャワー:2,000倍液
- 生育状態を確認しながら葉面散布する
葉が大きく広がっているため、表面だけでなく、可能な範囲で葉裏にもかかるように散布します。
ただし、葉面散布だけで、土から吸収するすべての養分を補えるわけではありません。
根の状態、土の水分、肥料の残り方、生育の強さなども合わせて確認します。
病害虫の確認も欠かさない
キャベツとハクサイは、葉を食害する害虫や、土壌・残渣に関係する病害が発生することがあります。
葉に穴が開いている、中心部が傷んでいる、株が急にしおれるなどの症状がある場合は、肥料不足だけで判断しません。
葉の表裏、株元、根、土の水分を確認し、原因に合った対策を行います。
農薬を使用する場合は、キャベツまたはハクサイへの登録内容、使用時期、希釈倍率、使用回数、収穫前日数を確認してください。
収穫後の土づくり
キャベツやハクサイの収穫後には、太い根、外葉、株元などの残根・残渣が畑に残ります。
五光の栽培暦では、収穫後に超堆肥源を使用します。
収穫後に使用する資材の目安(10a当たり)
- 超堆肥源:5~10袋
超堆肥源を圃場全体へ均一に散布し、畑へ戻せる残根・残渣と一緒に耕うんします。
太い株元や硬い残渣は、可能な範囲で細かくすると、土や微生物と接触しやすくなります。
ただし、病気が出ていた株や腐敗した残渣は、健全な残渣と分けて考えます。
病害の種類や発生状況によっては、畑へ戻さず、圃場外へ持ち出す必要があります。
微生物が働くためには、適度な水分、空気、分解期間が必要です。
超堆肥源を散布するだけでなく、水分と排水を確認し、作付け前の土を整えます。
キャベツ・ハクサイ栽培で使う資材と使用量一覧
| 時期 | 資材 | 使用量の目安 | 使い方 |
|---|---|---|---|
| 定植約1か月前 | 超堆肥源 | 10a当たり5~10袋 | 全面散布後に耕うん |
| 定植約1か月前 | ほう素入りシンボル808 | 10a当たり1~2袋 | 元肥として全面散布後に耕うん |
| 定植約1か月前 | マグカル52 | 10a当たり1~2袋 | 土壌分析を参考に全面散布後に耕うん |
| 定植後 | ゲルマプラントシャワー | 2,000倍液 | 葉面散布 |
| 生育中 | ゲルマプラントシャワー | 2,000倍液 | 生育状態を確認して葉面散布 |
| 収穫後 | 超堆肥源 | 10a当たり5~10袋 | 全面散布後に残根・残渣と耕うん |
栽培暦の使用量は目安です。
土壌条件、気候、品種、作型、前作の施肥、生育状況などによって必要量は異なります。
家庭菜園で使う場合
五光の栽培暦に記載している袋数は、主に農業者向けの10a当たりの目安です。
家庭菜園では、畑の面積に合わせ、商品の表示量を確認して使用します。
ただし、小さな畑では、これまでに入れた堆肥や肥料が多く残っていることがあります。
面積だけで単純に換算せず、前作の施肥量、土の状態、キャベツやハクサイの生育を確認して調整してください。
初めて超堆肥源を家庭菜園で使う方は、家庭菜園で超堆肥源を使う方法も参考にしてください。
土壌分析を施肥設計に活かす
栽培暦に使用量が示されていても、毎年同じ量を施すことが適切とは限りません。
前作で使われなかった養分が土に残っている場合もあれば、降雨などによって養分が流れやすくなっている場合もあります。
土壌分析では、pH、リン酸、石灰、苦土、カリ、腐植などの状態を確認します。
ほう素入り肥料を使用するときは、微量要素を含むほかの資材を重ねて使用していないかも確認します。
分析結果と、葉色、外葉の大きさ、結球、根張り、水はけなどの実際の状態を合わせて見ることで、施肥量を調整しやすくなります。
まとめ
五光のキャベツ・ハクサイ栽培暦では、定植約1か月前に超堆肥源、ほう素入りシンボル808、マグカル52を施し、全面散布後に耕うんします。
定植後と生育中には、ゲルマプラントシャワーの2,000倍液を葉面散布します。
収穫後は、超堆肥源を散布し、残根・残渣の状態を確認しながら、分解しやすい土の環境を整えます。
ただし、栽培暦の時期や使用量は目安です。
土壌分析、前作の施肥量、作型、生育、水分、排水、病害虫などを確認し、圃場に合わせて調整してください。
資材を決められた量だけ入れるのではなく、根が働きやすい土の状態と、作物の実際の生育を見ながら管理することが大切です。
これは畑の菌活®という考え方の一部です。
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