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2026年7月26日

いちごの栽培暦と施肥設計|秋植えから春どり・収穫後までの資材の使い方

いちごは、秋に苗を定植して冬を越し、翌春に開花・結実して収穫を迎える栽培方法があります。

春の収穫を安定させるには、生育中の管理だけでなく、秋の定植前に根が伸びやすい土を整え、冬に入る前に苗を活着させることが大切です。

また、収穫後の株や根をそのまま放置せず、残根・残渣の状態を確認しながら、次期作に備えて土を整えることも重要です。

株式会社五光のいちご栽培暦では、秋の定植約1か月前に超堆肥源、ハッコウ肥料いのち特号、マグカル52を施します。

定植時にはゲルマプラントシャワーを株元へ灌水し、越冬後の春には、生育状態を確認しながら葉面散布を行います。

春の収穫後には超堆肥源を使用し、残根・残渣の分解を進めながら土の環境を整えます。

この記事は、株式会社五光の栽培暦・施肥マニュアルに掲載している「いちご(秋植え・春どり)」の内容をもとに、資材を使う時期と考え方を詳しく解説しています。

掲載する時期と使用量は目安です。地域、露地・施設栽培の違い、品種、土壌分析、前作の施肥量、生育状況、気候などに合わせて調整してください。

いちご栽培の年間スケジュール

五光の栽培暦では、秋に定植し、翌春に収穫する作型を一例として、次の流れを示しています。

  • 9月頃:定植約1か月前の土づくりと元肥
  • 10月頃:定植・ゲルマプラントシャワーの灌水
  • 11月頃~翌2月頃:越冬期の管理
  • 3月頃:ゲルマプラントシャワーの葉面散布
  • 4月頃:ゲルマプラントシャワーの葉面散布
  • 5~6月頃:開花・結実・収穫
  • 7月頃:収穫後の土づくり

実際の時期は、地域、積雪、気温、品種、露地栽培・施設栽培の違いによって前後します。

栽培暦の月だけで判断せず、苗の大きさ、根の状態、新葉の展開、開花、果実の肥大を確認しながら作業します。

定植1か月前の土づくりと元肥

五光の栽培暦では、定植のおよそ1か月前に、土づくり資材と元肥を施します。

定植1か月前に使用する資材の目安(10a当たり)

  • 超堆肥源:5~10袋
  • ハッコウ肥料いのち特号:1~2袋
  • マグカル52:1~2袋

各資材を圃場全体へできるだけ均一に散布し、耕うんして土へ混ぜます。

使用量には幅があります。毎年同じ量を施すのではなく、土壌分析、前作で使った肥料や堆肥、これまでの生育状況などを確認して調整します。

超堆肥源の役割

超堆肥源は、土壌微生物の働きを活かしながら、いちごの根が張りやすい土の環境づくりを助ける微生物資材です。

土や有機物と混ぜ、適度な水分と空気を確保することで、微生物が働きやすい状態を整えます。

ハッコウ肥料いのち特号の役割

ハッコウ肥料いのち特号は、いちごの生育に必要な養分を補うために使用する発酵肥料です。

元肥が多すぎると、葉ばかりが強く育ったり、冬に入る前の株の状態に影響したりすることがあります。

土に残っている養分や、これまでの施肥量を確認して使用します。

マグカル52の役割

マグカル52は、土の状態を見ながら、カルシウムやマグネシウムなどを補う目的で使用します。

石灰や苦土が土に十分残っている場合もあるため、土壌分析を参考に使用量を調整することが大切です。

定植前に確認したい土の状態

いちごは、定植後に根を伸ばし、冬を越すための株をつくります。

土が固く締まっている場合や、水がたまり続ける場合は、根が伸びにくくなることがあります。

定植前の確認項目

  • 雨や灌水のあとに水が長く残らないか
  • 土が固く締まっていないか
  • 未分解の残根・残渣が多く残っていないか
  • 元肥が一か所へ偏っていないか
  • 前作の病気が残っていないか
  • 畝の高さや排水路が圃場に合っているか

いちごの根は過湿の影響を受けることがあるため、水がたまりやすい圃場では、畝を高くすることや排水路を整えることも検討します。

資材を多く施すことよりも、水と空気が動き、根が伸びやすい土を整えることが重要です。

苗を定植するときのポイント

苗を定植するときは、根鉢を崩しすぎず、周囲の土となじませるように植え付けます。

株元の中心にあるクラウンを深く埋めすぎると、生育へ影響することがあります。

反対に、根が土から露出するほど浅く植えると、乾燥しやすくなります。

クラウンの位置を確認し、根が土になじむ深さへ植え付けます。

定植後は、苗が倒れず、根鉢と周囲の土が密着する程度に灌水します。

土がすでに十分湿っている場合や、水がたまりやすい圃場では、灌水量を調整してください。

定植時のゲルマプラントシャワー

五光の栽培暦では、いちごの定植時にゲルマプラントシャワーを使用します。

定植時の使用目安

  • ゲルマプラントシャワー:2,000倍液
  • 定植後に株元へ灌水する

ゲルマプラントシャワーを2,000倍に希釈し、植え付けた苗の株元へ灌水します。

定植直後は、苗の根と圃場の土をなじませ、冬に入る前の活着を進める時期です。

多く灌水することよりも、根鉢と周囲の土がなじむ水分を確保することが大切です。

越冬前に確認したいこと

秋に定植したいちごは、気温が下がるまでに根を伸ばし、冬を越すための状態を整えます。

定植後は、新しい葉が展開しているか、株がぐらついていないか、根元に水がたまっていないかを確認します。

越冬前の確認項目

  • 苗が土へ活着しているか
  • 新しい葉が展開しているか
  • クラウンを深く埋めていないか
  • 葉色が濃すぎたり薄すぎたりしていないか
  • 株元に水がたまり続けていないか
  • 枯れ葉や病斑のある葉が残っていないか

生育が弱い場合でも、すぐに肥料不足と判断せず、定植の深さ、根傷み、水分、低温、病害虫なども確認します。

越冬後は株の状態を確認する

春になり気温が上がると、いちごは新しい葉を伸ばし、開花へ向けて生育を再開します。

積雪のある地域では、雪解け後に傷んだ葉、株元、土の水分を確認します。

枯れ葉や病斑のある葉を整理するときは、クラウンや新しい芽を傷つけないようにします。

雪解け直後や雨のあとで土がぬかるんでいる場合は、圃場へ入ることで土を踏み固めないよう注意します。

春のゲルマプラントシャワー

五光の栽培暦では、3月頃と4月頃にゲルマプラントシャワーの葉面散布を行います。

春の使用目安

  • ゲルマプラントシャワー:2,000倍液
  • 3月頃:葉面散布
  • 4月頃:葉面散布

ゲルマプラントシャワーを2,000倍に希釈し、生育状態を確認しながら葉面へ散布します。

葉の表面だけでなく、可能な範囲で葉裏にもかかるように散布します。

低温時、高温時、強い日差しのある時間帯、雨の直前などは避け、葉が乾きやすい条件で作業します。

ただし、葉面散布だけで、土から吸収するすべての養分を補えるわけではありません。

根の状態、土の水分、葉色、開花の進み方も合わせて確認します。

開花から果実の肥大までに確認したいこと

いちごは、開花したあとに受粉し、果実が少しずつ肥大していきます。

この時期は、極端な乾燥や過湿を避け、根が安定して水分を吸収できる状態を保ちます。

開花・結実期の確認項目

  • 新しい葉が順調に展開しているか
  • 花や幼果が傷んでいないか
  • 果実の肥大が進んでいるか
  • 土が乾燥しすぎていないか
  • 株元に水がたまっていないか
  • 果実や葉に病斑がないか
  • 害虫の発生がないか

生育が弱い場合でも、肥料不足だけでなく、低温、根傷み、水分、受粉、病害虫などを確認します。

追肥は生育を見て判断する

いちごの追肥は、元肥の量、土壌分析、越冬後の株の状態、葉色、開花、着果などを確認して判断します。

葉色が濃く、葉が大きく茂っている場合は、すぐに肥料を増やす必要がないこともあります。

一方、新葉が小さい、葉色が薄い、果実の肥大が進みにくい場合は、養分不足の可能性を確認します。

ただし、根が弱っている状態で肥料を増やしても、養分を十分に吸収できないことがあります。

肥料を増やす前に、根、土の水分、排水、気温、病害虫を確認することが大切です。

化学肥料を否定するものではありません。肥料が活きる土の状態を整える考え方です。

果実が土へ触れないように管理する

いちごの果実が湿った土へ直接触れると、汚れや傷みにつながる場合があります。

敷きわらやマルチなどを利用し、果実が土へ直接触れにくい状態を整えます。

ただし、株元を過度に覆い、湿気がこもらないようにします。

果実だけでなく、葉の混み具合や風通しも確認し、傷んだ葉や果実は早めに取り除きます。

収穫後の土づくり

いちごの収穫後には、株、根、葉、ランナーなどの残根・残渣が残ります。

五光の栽培暦では、収穫後に超堆肥源を使用します。

収穫後に使用する資材の目安(10a当たり)

  • 超堆肥源:5~10袋

超堆肥源を圃場全体へ均一に散布し、畑へ戻せる残根・残渣と一緒に耕うんします。

残渣は、可能な範囲で細かくすると、土や微生物と接触しやすくなります。

ただし、病気が出ていた株、腐敗した果実、傷みの強い残渣は、健全な残渣と分けて考えます。

病害の種類や発生状況によっては、畑へ戻さず、圃場外へ持ち出す必要があります。

微生物が働くためには、適度な水分、空気、分解期間が必要です。

超堆肥源を散布するだけでなく、水分と排水を確認し、次期作に備えて土の環境を整えます。

いちご栽培で使う資材と使用量一覧

時期資材使用量の目安使い方
定植約1か月前超堆肥源10a当たり5~10袋全面散布後に耕うん
定植約1か月前ハッコウ肥料いのち特号10a当たり1~2袋元肥として全面散布後に耕うん
定植約1か月前マグカル5210a当たり1~2袋土壌分析を参考に全面散布後に耕うん
定植時ゲルマプラントシャワー2,000倍液株元へ灌水
3月頃ゲルマプラントシャワー2,000倍液葉面散布
4月頃ゲルマプラントシャワー2,000倍液葉面散布
収穫後超堆肥源10a当たり5~10袋全面散布後に残根・残渣と耕うん

栽培暦の使用時期と使用量は目安です。

土壌条件、気候、品種、栽培方法、前作の施肥、生育状況などによって必要量は異なります。

家庭菜園で使う場合

五光の栽培暦に記載している袋数は、主に農業者向けの10a当たりの目安です。

家庭菜園では、畑の面積に合わせ、商品の表示量を確認して使用します。

ただし、小さな畑では、これまでに入れた堆肥や肥料が多く残っていることがあります。

面積だけで単純に換算せず、前作の施肥量、土の状態、いちごの生育を確認して調整してください。

初めて超堆肥源を家庭菜園で使う方は、家庭菜園で超堆肥源を使う方法も参考にしてください。

土壌分析を施肥設計に活かす

栽培暦に使用量が示されていても、毎年同じ量を施すことが適切とは限りません。

前作で使われなかった養分が土に残っている場合もあれば、降雨や灌水によって養分が流れやすくなっている場合もあります。

土壌分析では、pH、リン酸、石灰、苦土、カリ、腐植などの状態を確認します。

分析結果と、葉色、新葉の展開、開花、果実の肥大、根張り、水はけなどの実際の状態を合わせて見ることで、施肥量を調整しやすくなります。

まとめ

五光のいちご栽培暦では、秋の定植約1か月前に、超堆肥源、ハッコウ肥料いのち特号、マグカル52を施し、全面散布後に耕うんします。

定植時には、ゲルマプラントシャワーの2,000倍液を株元へ灌水します。

越冬後の3月頃と4月頃には、株の生育を確認しながら、ゲルマプラントシャワーの2,000倍液を葉面散布します。

春の収穫後は、超堆肥源を散布し、残根・残渣の状態を確認しながら、分解しやすい土の環境を整えます。

ただし、栽培暦の時期や使用量は目安です。

土壌分析、前作の施肥量、生育、開花、着果、水分、排水、病害虫などを確認し、圃場に合わせて調整してください。

資材を決められた量だけ入れるのではなく、根が働きやすい土の状態と、作物の実際の生育を見ながら管理することが大切です。

これは畑の菌活®という考え方の一部です。


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