土づくりは、作物を植える直前だけに行うものではありません。
収穫後、作付け前、定植前、栽培中など、それぞれのタイミングで役割が違います。
収穫後は、畑に残った根・茎・葉などの残根・残渣を処理し、分解を進める大切な時期です。
作付け前は、作物が育ちやすい土の状態を整え、肥料や微生物の働きが活きやすい土台をつくる時期です。
定植前は、苗が根を張りやすいかを確認し、活着しやすい畑に整える時期です。
栽培中は、作物の様子を見ながら、必要に応じて追肥や土の状態を確認する時期です。
この記事では、土づくりはいつするのか、収穫後・作付け前・定植前・栽培中の考え方を、畑の菌活®の視点で解説します。
土づくりはいつする?
土づくりは、作物を植える直前だけでなく、栽培の前後を通して考えるものです。
畑では、作物を育てることで養分や水分が使われ、根や残渣が残り、土の状態も少しずつ変化します。
そのため、収穫が終わったあと、次の作付け前、定植前、栽培中には、それぞれ確認したいポイントがあります。
土づくりを一度で完了させるのではなく、タイミングごとに役割を分けて考えると、作業の意味がわかりやすくなります。
畑の菌活®では、土づくりを「一度きりの作業」ではなく、「土の中の環境を整え続ける考え方」として捉えています。
収穫後の土づくり
収穫後は、土づくりの大切な始まりです。
作物を収穫したあとの畑には、根、茎、葉、株元などの残根・残渣が残ります。
これらは、微生物によって分解されれば、有機物として土づくりに役立つことがあります。
一方で、分解が進まないまま残ると、土の中でガスが発生したり、病害虫の温床になったり、次の作付け前の土の状態に影響することがあります。
そのため、収穫後はできるだけ早く残根・残渣を処理し、分解が進みやすい状態をつくることが大切です。
微生物資材を活用する場合は、残渣を細かくし、土とよく混ぜ、分解のための期間を置くことを意識します。
収穫後の土づくりは、畑を空けておく期間ではなく、次の作付け前の土を整え始める期間です。
作付け前の土づくり
作付け前は、種まきや定植の前に、作物が育ちやすい土の状態を整える時期です。
この時期には、土の固さ、水はけ、残根・残渣の分解、有機物の状態、病気の有無などを確認します。
土が固い場合は、根が伸びにくくなります。
水はけが悪い場合は、土の中の空気が不足し、根や微生物が働きにくくなることがあります。
残根・残渣の分解が進んでいない場合は、作付け後に根のまわりで分解が続き、土の中の環境が不安定になることがあります。
また、肥料を使う場合でも、肥料が活きる土の状態に整っているかが大切です。
作付け前の土づくりでは、肥料を入れることだけでなく、根と微生物が働きやすい土台を整えることを意識します。
定植前の土づくり
定植前は、苗を植える直前に近いタイミングです。
この時期には、苗が根を張りやすい土になっているかを確認します。
苗は、育苗中の環境から畑へ移ることで、新しい土の中に根を伸ばしていきます。
そのため、土が固い、水はけが悪い、残根・残渣が残っているといった状態では、根が伸びにくくなることがあります。
定植前には、畝の状態、土の水分、土の固さ、水はけ、残渣の分解状況を確認します。
必要に応じて、畑の状態に合わせた調整を行います。
作物ごとの作業時期は栽培暦で確認しながら、実際の畑の状態も見ることが大切です。
定植前の土づくりは、苗が根を張りやすい畑に整えるための最終確認でもあります。
栽培中の土づくり
栽培中の土づくりは、作物の様子を見ながら、必要に応じて土の状態を整える考え方です。
栽培中は、作物が養分や水分を吸収しながら育ちます。
そのため、葉色、生育の勢い、根張り、水はけ、土の乾き方などを見ながら、必要に応じて追肥や土寄せ、排水対策などを考えます。
ただし、栽培中にできる土づくりには限りがあります。
残根・残渣の分解や大きな土壌改良は、収穫後や作付け前に行う方が適しています。
栽培中は、作物を育てながら土の状態を観察し、次の収穫後や作付け前の土づくりに活かす時期でもあります。追肥のタイミングで微生物を含んだ有機肥料を用いたり、品目によっておすすめの方法もあります。
畑の菌活®では、栽培中の観察も、次の土づくりにつながる大切な情報と考えています。
年1作の圃場での考え方
一年に一度だけ作付けする圃場では、収穫後から次期作前までの期間を土づくりに使うことができます。
この場合は、収穫後に残根・残渣を処理し、微生物資材などを活用しながら分解を進めます。
その後、作付け前に改めて土の状態を確認します。
土が固くなっていないか。
水はけが悪くなっていないか。
残渣が分解されずに残っていないか。
病気が出た場所がないか。
こうした点を確認しながら、必要に応じて土壌改良や微生物資材を活用します。
年1作の圃場では、収穫後と作付け前を分けて考えることで、土づくりの流れが見えやすくなります。
連続して作付けする圃場での考え方
一年のうちに、収穫後すぐ別品種や同品種を続けて作付けする圃場では、土づくりに使える期間が短くなります。
この場合は、収穫後の残根・残渣処理をできるだけ早く行うことが大切です。
前作の残渣が多く残ったまま作付けに入ると、土の中で分解が続き、根のまわりの環境が不安定になることがあります。
また、病気が出ていた残渣や害虫が多かった残渣は、次の作物への影響を考える必要があります。
作付けまでの期間が短い場合でも、残渣を細かくし、土と混ぜ、できるだけ分解が進みやすい状態をつくります。
微生物資材を使う場合は、播種や定植までの期間を考えながら、無理のないタイミングで活用します。
連続して作付けする圃場では、短い期間の中で、残渣処理、土の状態確認、作付け準備を組み立てることが大切です。
まとめ
土づくりは、作物を植える直前だけに行うものではありません。
収穫後、作付け前、定植前、栽培中には、それぞれ違った役割があります。
収穫後は、残根・残渣を処理し、分解を進める時期です。
作付け前は、根と微生物が働きやすい土台を整える時期です。
定植前は、苗が根を張りやすい畑になっているかを確認する時期です。
栽培中は、作物の様子と土の状態を観察し、次の土づくりに活かす時期です。
土づくりは、畑の菌活®という考え方の一部です。
それぞれのタイミングで土の状態を見直し、微生物が働きやすい土の環境を整えることで、作物が育ちやすい畑づくりを進めていきましょう。
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収穫後・作付け前・定植前・栽培中のそれぞれのタイミングで、土の状態を見直すことから、畑の菌活®を始めてみてください。